一之江名主屋敷は、東京都内に残る民家のうちでは最も古いものの一つに数えられます。また江戸時代中期の、江戸近郊における土豪的な名主の家としては都内唯一のものです。 主屋 (撮影 畑 亮) 主屋 (撮影 畑 亮) 主屋 (撮影 畑 亮) 主屋は安永年間(1772〜1781)頃の造営で、当初は長方形の平面(直屋)でした。その後、天保年間(1830〜1844)頃に手前の土間部が増築されてL字型の曲屋風平面となりました。 屋根の茅葺は軒先下端が水平に刈られる「糸縁(いとべり)」という関東風の葺き方となっています(これに対して関西風は「角縁(かくべり)」と呼ばれ、軒先が斜めに刈られます)。また棟にはグシ瓦と呼ばれる棟用の瓦が葺かれています。 軒は茅葺民家によくみられる背返造り(せがいづくり)ですが、座敷の部分のみは背返ではなく化粧垂木(けしょうだるき)が用いられ、格式を示しています。 主屋内部 ナカノクチより ダイドコロを見る (撮影 畑 亮) 主屋内部 ダイドコロより ナカノクチを見る (撮影 畑 亮) 主屋内部 土間より ナカノクチを見る (撮影 畑 亮) 主屋内部 ナカノマ (撮影 畑 亮) 敷地の周囲には堀が巡らされ、敷地内には主屋の他に長屋門・蔵・屋敷神・築山庭園・屋敷林などが残されています。今回の工事では、主屋・長屋門・蔵が復原修理されました。 長屋門と蔵 (撮影 畑 亮) 長屋門と蔵 (撮影 畑 亮) 蔵内部 (撮影 畑 亮) 田島家に伝わる口伝によれば、初代の田島図書(たじまずしょ)は武家の出身で、関ヶ原の役に豊臣方として参戦したといいます。後に関東に下って武力を放棄し、甲冑を埋めて寺を造立して当地域の開発にあたりました。江戸川下流域の土豪的農民と共に一之江新田を切り開き、少なくとも元禄年間(1688〜1704)からは代々名主を世襲していました。 所 在 地 東京都江戸川区春江町 造営年代 江戸時代 安永年間(1772〜1781)頃(主屋・長屋門) 明治24年(1891)(蔵) 修理工事 平成5年(1993)完了 見 学 公開日あり(江戸川区にお問い合わせください)
主屋内部 ナカノクチより ダイドコロを見る (撮影 畑 亮)
所 在 地 東京都江戸川区春江町 造営年代 江戸時代 安永年間(1772〜1781)頃(主屋・長屋門) 明治24年(1891)(蔵) 修理工事 平成5年(1993)完了 見 学 公開日あり(江戸川区にお問い合わせください)
東京都江戸川区春江町
江戸時代 安永年間(1772〜1781)頃(主屋・長屋門) 明治24年(1891)(蔵)
平成5年(1993)完了
公開日あり(江戸川区にお問い合わせください)
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